たくさんの株を1000分の1秒ごとに売買するといった高い頻度で取引する手法は、高頻度取引あるいは英語名でHFTと呼ばれている。このような超高速の取引はコンピュータを使って行うが、従来の人手で行ってきた株取引とは明らかに違う世界が見えてくる。HFTの土俵としての電子市場とその微細構造に触れた後、よいHFTと悪いHFT、規制問題、HFTの未来へと話を進めていく。
立命館大学理工学部客員教授。東工大より理学修士、一橋大より博士(経営)。専門は数理ファイナンス。
米系投資銀行に勤務(1997-2011年)、特に2000年から8年余はニューヨーク本社でファンド・マネージャーとして高頻度取引システムの開発から取引戦略の策定までを手がける。著書に「C++入門」(CQ出版 1988年),訳書に「プログラミング言語AWK」(アジソン・ウェスレイ・トッパン 1989年)など。